第三章 関節運動類手法


第二節 腰椎関節の運動手法


二、腰椎回転法


 1.立位腰椎回転法
  患者は壁或いは患者の肩の高さほどある壁のようなものに両手ををついて身体を支え、両足は肩幅に広げて立ち、つま先を壁から50センチ離して、身体を15〜30°前傾します。
 術者は患者の背後に立ち、両手でそれぞれ患者の腸骨の後をおさえもって、時計回りと逆時針回りに臀部を各30〜50回まわします。ぎっくり腰或いは腰椎椎間板ヘルニアの整復術の前の準備動作として常用されます。



2.座位腰椎回転法
 患者は四角い腰掛に座ります
 術者は患者の前側方に位置して、両あしで患者の一方の大腿を挟んで骨盤を固定します。両手でそれぞれ患者の両肩を握り、患者の身体を時計回り、逆時計回りに各5〜10回まわします。腰筋を弛緩させる作用がありますから、腰部の仕上げの手法の一つとして常用します。



3.仰臥位回転法
 患者は仰臥位で股関節と膝を屈曲して、両方の大腿をお腹に近づけます。
 術者は患者の側方に立ち、一方の手で患者の両膝をおさえ、別の手で仙骨を支え、臀部を少し上にあげて時計回り、逆時計回りに各5〜10回まわします。腰筋を弛緩させる作用がありますから、腰筋疲労及び椎間靭帯損傷の治療に常用します。


4.伏臥位回転法
 患者は伏臥位、両あしをまっすぐに並べます。
 術者は患者の側方に立ち、一方の手で患者の腰部をおさえ、別の手の前腕で両大腿の下端を支えて、両下肢を30°前後上げて時計回り、逆時計回りに各5〜10回まわします。腰筋伸展機能を強化して、腰筋の痙攣を緩解する作用がありますから、ぎっくり腰と腰椎椎間板ヘルニアの緩解期の治療に常用します。


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